妊娠中の体重増加について
従来、妊婦さんの体重増加はありがちなことでした。
おばあちゃんやお母さんなどが、妊婦さんに「二人分食べるのよ」なんておっしゃって、いっぱい食事を作って、妊婦さんもつわりが治まるとうれしくってついつい食べてしまい、妊婦健診の時に助産師から叱られてしまう、という光景が見られていました。
助産師が妊婦さんに注意するのは、体重増加による妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、難産のリスクが高くなるためでした。
でもここ最近、妊娠による生理的な体重増加を下回る妊婦さんが増えています。
様々な理由があると思いますが、妊娠中であるにもかかわらず、過剰なダイエットによって、さまざまにリスクのある妊娠経過となってしまうのです。
主には切迫早産やベビーの発育不全などです。
そして胎児期に長期にわたって低栄養にさらされた赤ちゃんは、生活習慣病の素因がつくられ、将来2型糖尿病や血管障害(脳血管障害・心血管障害)を発症させるリスクが高いといわれています。
実際、妊娠期間中に全く体重が増加しなかった妊婦さんがいらっしゃいました。
そのかたに赤ちゃんやご自身の健康、妊娠・出産におけるリスクなどをいくら説明しても聞き入れられず、出産後、赤ちゃんは、細胞の働きや神経・筋肉の働きなど、身体の恒常性を保つための電解質が異常をきたしてしまっていることがわかりました。
この例は極端ですが、このようなことから2019年には日本産科婦人科学会より「妊娠中の体重増加の目安」が改訂されました。
BMI | 体重増加量のめやす |
<18.5 | 12~15㎏ |
18.5≦~25 | 10~13㎏ |
25≦~<30 | 7~10㎏ |
30≦ | 個別対応 |
そして単に体重増加だけでなく、増加した体重の内容が、脂肪・水分・胎児のどれによるものなのか、栄養バランスは整っているかということを、妊婦健診の血圧測定や血液検査などで評価しています。
最後までお読みくださりありがとうございました。
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