BLOG

妊娠初期の出血①

妊娠中の出血は時期によってはよく起こりがちなものですが、
妊婦さんたちをとても心配にさせるものの一つです。
例えば妊娠初期の出血には以下のようなものがあります。
切迫流産・胞状奇胎・異所性妊娠などが主ですが、
今回は異所性妊娠のことを取り上げたいと思います。

異所性妊娠とは、受精卵が子宮の中の内膜以外に着床することをいいます。
以前は「子宮外妊娠」と呼ばれていました。
着床する部位によって卵管妊娠・卵巣妊娠・腹膜妊娠・腹腔妊娠・頚管妊娠などに分けられます。

原因は、クラミジアなどの感染症や子宮内膜症などによる卵管の癒着、
体外受精・肺移植や、子宮内避妊具(IUD)、人工妊娠中絶の既往などによる子宮環境の変化などです。
自然妊娠の1~2%に発生するといわれていますが、
クラミジアなどの性感染症の増加などによってその発生頻度は増加しています。
また、異所性妊娠の繰り返しは10%~15%にみられます。

症状は少量の性器出血、腹腔内にも出血していることがあります。
痛みは下腹部痛が先行し、下肢は肩・背中などに放散します。圧痛もあります。
そのほか、吐き気や嘔吐、腹部の緊満などもあるでしょう。

医療的にはこれらの症状のほか、妊娠反応検査(hCG測定)によって妊娠が確認され、経腟エコーで胎嚢(ごく初期で赤ちゃんの袋)が子宮体部内膜以外のところに認められるときに判断されます。

治療は、全身状態や、着床部位、次も妊娠を希望しているかどうかなどを総合的にみて決められます。

妊娠の可能性があり、生理が来ない、出血があったがごく少量で、下腹部が痛いなどというときは、
様子をみず、近くの産婦人科を受診しましょう。


最後までお読みくださり、ありがとうございました。

*神戸・芦屋・西宮*女性とマタニティのための鍼灸サロンはLilium(リリウム)へ

参考文献:日本産科婦人科学会監修 Baby +
     病気がみえる10 産科 メディックメディア

2022-12-21 | Posted in BLOG